2007年09月05日

「発見の話」



映画って
一回見ただけよりも
二回、三回と見た方が
いろんな「発見」ができるじゃないですか


俺は映画を見て
そんな「発見」をする度嬉しくもあり
また悔しくもある


なぜに最初の一回で
「そこ」に気付く事ができなかったのかと!


だから
よくバンドのCDの新譜が出ると
もっともらしいレビューつける奴の


「このアルバムは噛めば噛むほど味がでる、まさにスルメみたいなアルバムだ」

て言葉が大嫌いだ。




このありきたりな台詞を耳にする度
まじ
「ショボ!」
て笑ってしまうんだよね


「一回でうま味をすべて見つけられなかった、お前の舌がショボいだけやんけ!」


てな(笑)



で俺は
中学一年生の時にこう思っていた


「10回体験して
10の発見があるなら

100回体験しても
1個も発見出来ない人間もいる

ならば
一度の体験で
10000の発見をする男になってやる」



そんな事を考えていたが

中学二年生の時に
ディズニーランドのアトラクションに乗って
ふと気付いた




「乗る席によって景色がまったく違う!」

という現実


乗り物の

右に座って見るか

左に座って見るか



そこには
それぞれどこを見るかでまったく違う
キャラクターのアクションやストーリーが存在した


小学生の頃乗った時には一度でそれらを全部見きれてなかった訳だ


まあ人間の目は前に2つしかない
ていうのもあるけど

一度の体験で
すべてを発見してやる!という俺の理想が
はやくも現実的に崩れ落ちたのだ



しかし

だからこそ
ディズニーランドのアトラクションは
「もう一度乗りたい」
と思うのだろう







「もう一度」


おれは
この言葉が昔からなんか嫌いだった


「あきらめずにもう一度挑戦してみよう」


「さあワンモアタイム!」


そんな
前向きなショボい匂いがプンプンしやがった言葉で大嫌いだった(笑)


でも
中学二年生のその時

「もう一度」

という言葉が嫌いじゃなくなった



「もう一度」



もう一度観たい





もう一度聴きたい





もう一度乗りたい





もう一度触りたい






もう一度会いたい






俺の嫌いだった「もう一度」という言葉は


いわば

俺の大好きな言葉の



「おかわり!」


とおんなじ意味があったのだ




こうして

「一回ではどうしても発見しきれない事もある」
という事実を身をもってまた

「発見」

してしまったわけだ





「もう一度見たい」


さて今日はなぜ
このキーワードを
出したかというと


じつは今から
「とある話」に
繋がってしまうとは
まさか誰も予想してなかったであろう

(神がかった前フリなのよw)


そうだ
こっからがマキシマムザ亮君の「ロッキンポ殺し」の始まりだ


そう
そこのお前の話だ




どのバンドにも
必ずいる


全国ツアーの各地に何ヶ所も来てくれる「常連のお客さん」の話だ!


「常連のお客さん」というのは自分たちのライブを「もう一度」観たいと思ってチケットを買ってくれてるうれしい熱いやつらな訳だけど




ホルモンのお客さんに限らず「常連のお客さん」というのは

「自分の定位置」

というものをなぜか作りたがる



最前列のお目当てのメンバーの前に必ず陣取ったりね



では、

俺は
君たち常連客に「嫌われる」の覚悟で言ってやるぜ





ライブに
おまえの「定位置」なんてねえんだよ



幸いホルモンは
どこぞの

「女しかライブに来ない」
アイドルバンドなんかではないから


死ぬ気で「場所どり」してくる糞メス豚ファンは全然いないからいいんだけどさ


でも
おなじみの「常連グループ」が「いつもの位置」でいつものように同じようにライブを観ているのは
なんかもったいない気がするんだ


冒頭で書いた

「何回も観る度に新しい発見がある」

そんなライブを俺はしたいと思っている


せっかく

「もう一度」



観てくれたなら

新しい「発見」をしていただきたいものだ



それは

「今日は違う曲をした」
「今日のナヲのMCでは○○に乗ってやってきたと言った」

とか
そういう事だけではなく
まだまだ君達の発見出来てない「見せ場」が俺たちのライブにはあるはずだ



俺はよくライブ中

客の目を見る



だからこそわかる



君達
ホルモンの「美味しいとこ」結構見逃してるぜw



真ん中に立っている人間やMCをしている人間

イコール「主役」

だと
勘違いしている客もいて

そいつしか観てない
もったいない客が
結構いるんだな




そして
お目当てのメンバーしか見ない客もいる



もったいないねえ
もったいないねえ



友達のバンドマンが

「ホルモンのライブ中はどのメンバーを観ていいか悩むよ」

とうれしい事を言ってくれたことがある



それを目指したい

全員が「見せ場」
全員が「主役」



だからどこも見逃さない方がいいぜw


あと見る場所によって
音も全然違うんだよ



それに俺は
ツアーで各地をまわる時
「おりゃああ!今日もこの土地のやつらにぶちかます為にはるばるツアーでやってきたぞ!どんなやつらが待っているんだろう!今日もぶちかましてやるぜ」

そんな気持ちで各地のライブに挑んでいる


いろんな街でライブをする意味はそこにあったりもする



しかし

地方のライブで
いきなり最前列に
あきらかに地元民ではない「常連客」達が「いつもの定位置」にずらーっといると

正直なところ


「もうええてー!!」


と思ってしまう事が
失礼ながら 俺はある(笑)

(元気をもらえる時ももちろんあるんだけどね)

まあ、
自分のいつもの「定位置」なんか忘れて
いろんなとこから
いろんな意味の「違う視点」で
ライブを観てみるのも
新しい発見あって楽しいかもよ?

てだけの話さ。



でも、これは
ライブに限った話しじゃないんだ




「見逃してる」もったいない事は
世の中にもたくさんあるのだ



一回で
すべてを「発見」できる人間はいない


だから
「もう一度」を体験したくなる



そして
その「もう一度」で「新しい発見」をしてみよう





君のもっているCDも


一度見たことあるあの映画も、あの本も



毎日見慣れたいつもの景色も



あんまり好きじゃない
あの人間にも




もしかしたら
まだまだ気づいてなかった、「発見」できてなかった部分がたくさん隠れているはずなんだ


いつもと違う位置で
いつもと違う角度で
いつもと違う気持ちで

「もう一度」
体験してみれば
新しい「発見」ができるはずだ

(もちろんこの文章もだ)





諸君よ


人生に「おかわり」はないぜ





命に「おかわり」はないぜ




地球に「おかわり」はないぜ








そして
「もう一度」ホルモンのライブを観たいと思っても




その時に







そこにもう







この俺は


立っていないかもしれないんだぜ








ケケケ

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