「今でもボクは信じています」
2002年1月25日

マキシマムザホルモンの6弦楽器 亮君




みなさん、最近床屋さんに行ってますか?



ボクは美容院も床屋も基本的に緊張するので大嫌いなのですが



かつて一度だけ床屋さんで
甘酸っぱい経験をした事があるのです。



今日はボクの中学生時代の床屋さんでの実話を話しましょう。






中学生時代、僕らは2ヶ月に一回、友達と集団で床屋に行っていました。



今まで床屋なんて家から1番近いトコでいいと思っていましたが、



中学2年生頃からだんだん色気づいた僕らは、
となり町のオシャレ床屋を偶然にも発見したのです!



「なんか隣町にオシャレな床屋ができたんだぜ!美容院よりも洒落た床屋らしいぜ!」



「マジ!?じゃあ美容院気分も味わえて、そのうえ顔も剃ってもらえるなんてつるセコじゃん!」




その床屋はバーのような雰囲気の作りで、僕らはすぐにその店が気に入りました。



いつも友達5、6人でその床屋に出向いていたのです。



そして床屋に着くなり僕らは
ジャンケンを始めた。



床屋の理容師は4人いて、



まずはサラサラヘアーのさわやかお兄さん。散髪の腕は店NO1.


そして店長。散髪は超ザツ!さらに息が
とても臭い!



しかし僕らはいつも
店長をジャンケンで取り合った。




なぜ息の臭い店長を奪い合ったかというと、それにはワケがある!!



目的は店長のアシスタントをしている
お姉さんなのだ!!!



アシスタントというのは、散髪はやらず、シャンプーや顔剃りなどしてくれる、理容師見習の事だ。



ちなみにサラサラ兄さんのアシスタントはモミアゲが異様に長い
「しゃくれモミアゲ男」


さらにモミアゲ男も
息臭し!




ボクはいつもジャンケンに負けて、モミアゲ男にシャンプーをしてもらっていた。



ジャンケンに勝ってお姉さんシャンプー権をGETしたヤツらは皆、
口を揃えてこう言った。



「いや〜。今日もお姉さんシャンプーしてくれてる時、微妙に
おっぱい接触して気持ちよかった〜」



「(う、うらやましい!!)」



でもジャンケンに負けた僕達はその言葉を絶対口には出さなかった。


そして悔し紛れに


「おまえ、モミアゲ男なんてシャンプー
凄く上手なんだゾ!!!」


「そうだ!そうだ!モミアゲ男のシャンプーはやさしくて
心のこもったシャンプーなんだぞ!!」



と、いつも言っていた。が・・虚しくなるばかりであった・・・




そんなある日の事だ。



ボクは一人で駅前のデパートへ買い物に来ていた。



すると、あの
床屋のお姉さんとバッタリ出くわしたのであった!!!!



ボクはお姉さんに軽くおじぎをした。



おねえさんはボクの顔を見るとニッコリと微笑んでくれたのだ!!



ボクはこの時思った!!



「この人・・・・・俺に気がある!!!!!」




それからというものだ、ボクは床屋ジャンケンで勝ちまくるようになった。



お姉さんのオッパイがほんのり接触するといわれている
あのシャンプーも初体験した。



「うわぁぁぁぁ!E!E!気持ちE!」



モミアゲ男とは比べ物にならない快感が待っていたのである。




またある日、、いつものように僕らは団体で床屋に来て、いつもの床屋ジャンケンが始まった。



勝った!!!



このところ連勝である。



ボクはまたあのシャンプ−を勝ち取ったのだ。



この日は、ボクが1番最後の客だった。



友人たちも塾があるからと散髪を済ませ先に帰ってしまった。



ボクは一人、お姉さんにドライヤーで髪を乾かしてもらっていました。



髪も乾き終わる頃、お姉さんがボクに言ったのです。



「よかったらコーヒー飲んで行きませんか?」



ボクは緊張しながら「は、はい」と答えた。



散髪が終わるとカウンターの向こうからお姉さんがコーヒーを出してくれた。



ボクはカウンターの前のイスに座った。



なんなんだろう??今まで何回も床屋に来ているのにこんなサービスは一回もなかったぞ??



ボクは戸惑いを隠せなかった。



お姉さんは何食わぬ顔で「砂糖入れる?」と砂糖を出してくれた。



ボクは「いや、このままでいいです」と、ちょっと
大人ぶってブラックコーヒーを飲んだ。



その後、沈黙が続いた。



ボクは何かお話した方がいいのかなーと思ったが、なにも話す事が出来ずただボーっとしていた。



「お会計よろしいでしょうか?」



店長の声がしてボクは我に返り、散髪代を払い店を出た。



帰り道、自転車をこぎながらボクはこう思いました。



「あの人・・・・・俺に気がある!!!!!」




季節は流れて、中学3年の冬。



ボクは高校の面接の前の日。一人であの床屋に出向いたのです。



この日もボクは店長に当たり、お姉さんシャンプーをしてもらっていました。



シャンプーの後には顔を剃ってもらいます。



女の人はあまり経験がないと思いますが、顔剃りってマジで
すんげー気持ちいいんですよ!



 ←このフワフワの毛でシャコシャコと髭剃りローションの泡をたてて、そんで顔に塗られるのです。



ボクはこのフワフワの毛で顔に泡を塗られるのが大好きでした。



お姉さんはシャコシャコと泡を立てていました。



そしてボクの顔にローションの泡を塗ってくれました。すると・・・!!



ん!???


なんだ!!!これは!!!!!


いつになく気持ちEぞ!!!




あれ?やばい!気持ちよすぎるぞ!!!!





はっ!!!!!







ボクはこう思いました。





「こ、これはフワフワの毛なんかじゃない!!!




これはお姉さんのおっぱいだ!!!!




店長の目を盗んで片方のオッパイを出し、




オッパイの先にローションの泡をつけて俺の顔に塗っている!!!!!!!」






ボクはおもわず目を開けてしまいそうになりました。



しかし、我慢しました。



これは見てはだめだ!!!



「鶴の恩返し」と同じ結末にだけはなりたくねぇ!!!!!!!!!!!


ボクは必死に目を閉じました。


お姉さんのオッパイ泡塗りは終了して、お姉さんはカミソリで顔を剃ってくれました。



顔剃りも終わり、ボクは目をあけてお姉さんを見上げると



すこしお姉さんが
恥らってるような表情をしたがしました。



ボクは思いました。



「この人・・・・絶対オッパイで塗った!!!」




僕らが高校に入学すると同時にこの店はなくなりました。



店長の奥さんが亡くなってしまい、やむを得ず店をたたむ事になったと聞きました。



もう、あのお姉さんにシャンプーをしてもらう事は2度とないと思いますが、



ボクは今でもブラックコーヒーを飲むと思い出すのです。




「あの時・・絶対にお姉さんはオッパイで塗った!!!!」



ボクは今でも、そう信じているのです。


(おわり)



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